肥満遺伝子別による傾向とダイエットのすすめ
ここまでわかった肥満遺伝子
日本人の持つ肥満遺伝子には主に3つのタイプがあることがわかっています。よく体型を表して「リンゴ型、洋ナシ型、バナナ型」といわれています。
β3AR(ベータ・スリー・ アドレナリン受容体)・・リンゴ型
UCPI(ユー・シー・ピー・ワン」・・洋ナシ型β2AR (ベーターツー・アドレナリン受容体)・・バナナ型
これらのどの遺伝子に変異があるかで、体質やかかりやすい病気などの特徴があることがわかっています。3つのうち優位に働く肥満遺伝子が1つだけの場合と、2つの場合があるので体型だけで自己判断するのは正確ではありません。遺伝子検査でこの肥満遺伝子のタイプを知ることが、自分の体質とそれに合わせた食事、生活改善、運動効率を上げてダイエットの効果が出やすい結果につながります。
タイプの肥満遺伝子をもつ体質と注意点について
それぞれの肥満遺伝子がもつ特徴についてみていきましょう。
β3AR遺伝子/リンゴ型
・日本人の30%が保有し、基礎代謝が1日200kcal低い
・男性に多くお腹周りが太っており、糖質の代謝が悪い
・血糖値を上げるご飯やパンなどの糖質を好む。玄米や全粉パンがよい。肉・魚・豆類は食べてもよいが、食事は野菜を最初に食べるようにする。
・「低糖質ダイエット」が有効で、有酸素運動や腹筋などの運動が適している
・糖尿病、高脂血症、脂肪肝に注意
UCP-1/洋ナシ型
・日本人の34%が保有し、基礎代謝が1日100kcal低い
・女性に多く、下半身が太っており、脂肪の代謝が悪い、痩せにくい
・肉や揚げ物、クリームなどの脂質の多いものを好む。油を使わない調理法のものを心がけ、おかずよりご飯、肉より魚を選んだほうがよい。食事は野菜から先に食べて、ジャンクフードは控える。
・「低脂質ダイエット」が効果的で、
・筋力トレーニングやストレッチがおすすめ
・がん、女性は子宮関係の病気に要注意
2AR/バナナ型
・日本人の24%が保有し、基礎代謝が1日200kcal高い、逆肥満遺伝
・男女比は半々で、見かけはほっそりとしており、筋肉がつきにくい。一度太るとと大変痩せにくく、いわゆる“隠れ肥満”タイプ。
・魚や野菜は好きだが、胃腸が弱い傾向にある
・たんぱく質不足になりがちなので「高たんぱく質食」ダイエットがよい
・食事は野菜より魚や豆などの高たんぱく質のものから先に食べる。肉は胃に負担をかけないようによく噛んで食べる。
・ご飯、パン、麺類などの主食は最後に食べる。
・規則正しい食生活をする
・心臓病、うつ病、低血圧などに注意
自分の体質傾向やより自分に適した食生活や運動方法を合わせた効果的なダイエットを知りたい方は遺伝子検査をおすすめします。
くれぐれも自己判断で間違ったダイエットを行わないように注意してください。