認知症の違いから知る、将来のリスクと備え

 

認知症による「介護離職」の深刻さが社会問題となっていますが、認知症は本人だけでなく周りで介護する人にも大きな影響を与えます。

 

特に若年性認知症は老年期認知症にくらべ患者数が少ないため表だって見えませんが、本人や家族などの周りで支える負担は高齢者に比べてかなり大きいものとなりがちです。

それを踏まえて政府施策として2015年に発表された「新オレンジプラン」では若年性認知症への対応強化が盛り込まれています。

若年性認知症と老年期の認知症では症状はもとより、本人や周りの環境の違いやサポート体制に違いがあります。

それを知ることが不安や心配を軽減する第一歩です。

今からできることを保険のつもりで考えてみましょう。

(若年性認知症と高齢者の認知症の違い)

若年性認知症 高齢者認知症
罹患人口 3万7,800人 460万人(予備軍400万人)
年齢 65歳以下 65歳以上
性別 男性>女性 男性<女性
発症の種類 ①脳血管性認知症 ②若年性アルツハイマー病 ①アルツハイマー型認知症 ②脳血管性認知症
診断 遅い/他の病気と間違えやすい 早い/疾患の特徴がわかりやすい
主な原因疾患 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血 脳動脈硬化症
経過 進行は早い 進行は比較的ゆっくり
BPSD(行動/心理) 興奮・攻撃的・妄想 無関心・うつ・妄想
経済的負担 かなり大きい 大きい
公共サービス 障害者福祉サービス 介護保険サービス

 

若年性認知症では発症の種類が「脳血管性認知症」が4割を占めるとの調査結果があります。

ここは高齢者の認知症と大きく違うところです。脳血管認知症はもの忘れ(記憶障害)の他に日常生活動作の困難も伴うことが多くなります。

そのため自立生活が困難になる重症度が高く、介護を必要とする度合いが高くなる可能性があります。

 

また若年性認知症は発症年齢の平均は51.3歳とまだ現役世代の時期と重なり、加えて男性が多い傾向にあります。

この事実の意味することは、経済的な負担や心配が大きいということです。

さらに進行が早いため、その分周りへの依存度も加速度的に高くなっていくことが考えられます。

年齢が若く体力がある分、BPSDが興奮、攻撃的と強くでる傾向にあるため、周囲や介護者の負担要因が大きくなることが施設や入院等の外部にたよる一因ともなり得ます。

 

公的サービスの若年性認知症の体制はまだ拡充できていないのが実状です。また年齢制約のため介護保険の適用はできません。

そのため高齢者にくらべ医療費、介護費、生活費と自己負担が大きくなる傾向にあると考えられます。

 

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